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「同じ」ということ 「違う」ということ
この間、いつも行っている相談活動の現場で
発達障害の子たちと学校のあり方などについて話題になりました。

我が家の息子(今年から高校生)はADHD(注意欠陥多動性障害)という特徴を持っています。
小さかった頃は、どうしてそんな行動をするのかわけがわからず
途方に暮れる日もたくさんありました(^^ゞ
それでも15年間も付き合っていると、
彼特有のモノの捉え方や考え方があるんだということが
手に取るように?わかるようにもなってきました。

でも、ADHDをはじめとする発達障害を持った子どもさんたちと
接する機会のない人やたまにしか接しない人たちには、
知識ではなんとなくわかっていても、実感としてはわからないことだらけなんだなぁ
ということを
仲間の人たちと話していてとても感じました。



ADHDの特徴を持っている子たちと、そうではない子たちとは
「発達障害の有無」という括りでそれぞれに分けられるのですが
じゃあ、ADHDの子が皆同じ行動様式や考え方をするのか…といったら
まったく違う部分もたくさんあったりします。

そんなことは当たり前だと頭ではわかっていても
ついつい「発達障害」という名称にとらわれて、そのことを忘れがちになったりしてしまうんですよね(^^ゞ


その子その子にあった指導方法や支援の在り方を
たったひとりの先生がしていくことの大変さもあるということを
教員経験のある仲間から聞いたりと、
同じ枠で括れる部分もあれば、括ってしまうと見えなくなる部分があるんだということを
仲間との話の中であらためて感じました。




このことは、私たちカウンセラー・相談員もよく理解していないといけません。


うつ病・対人恐怖症・摂食障害・アダルトチルドレンetc.


症状や状態に名前をつけて、大きな同じ枠で括る必要は確かにありますが
それでも、その「同じ」枠にばかりとらわれてしまうと
クライエントさんひとりひとりのことが見えなくなってしまいます。


また、喪失の悲しみや苦しみに辛い思いをされている方たちが
どの過程にいらっしゃるのか…を知ることもとても大切なことです。

起きてしまった(失くしてしまった)事実を否認している過程なのか
どうして自分がこんな目に合わなくてはいけないのか…と怒りの中にいる過程なのか
後悔と懺悔の過程を過ごされているのか
あきらめの境地の中にいらっしゃるのか…

同じ「喪失」を体験された方でも、どの過程にいらっしゃるのかで
まったく心境も状態も異なるのです。
そして同じ過程の中にいたとしても、その人その人でまた違います。



色々な症状・状態についての知識を持っていることはとても大切なことですが
知識を持ったうえでクライエントさんの「個別性」にしっかり目を向けて、感じて
そのときそのときのクライエントさんに必要なものを提供させていただけるようにすることが一番大切なことなのだと
自分自身、たくさんのクライエントさんや利用者さんたちから教えて頂きました。




「同じ」ということ・部分と、「違う」ということ・部分を
知ろうとすること、感じ取っていくこと。

私たちのような仕事や活動をする人たちは
いつも心に留めておかなくてはいけないんだと
自戒の意味も込めて書いておこうと思います。






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テーマ:心と身体 - ジャンル:心と身体

【2010/04/02 20:29 】
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